Heddon Crazy Crawler #2100 | オールドルアーのコト

HEDDON

へドン クレイジークローラー(1939年〜)

へドンの中でも非常に人気の高いルアーのひとつになります。クレイジークローラーは今回で2回目の紹介になります。前回はスモールモデルの#2120クレイジークローラーを紹介していますので、今回はオリジナル#2100モデルを紹介してまいります。

クレイジークローラーの歴史は、1920年代の奇才ルアービルダーのジムドナリーが生み出した「ワウ」が原型になります。ジムドナリーはこの斬新な機能が備わったプラグの特許を取得していました。ドナリー氏が亡くなった後にへドンはその特許を買取ると同時にドナリー氏が残した、パーツやボディーも引き取ります。そして1939年に最初のクレイジークローラー発売にいたります。

はじめはオリジナルサイズ#2100(今回の写真)、マスキーサイズ#2150の2サイズの販売です。初期ラインナップには、ドナリー時代に使われていたパーツを組み合わせていました。

もっとも特徴的な羽根の留め金具「ドナリークリップ」が使われています。U字型の金具にウイングを通し、ヒートンで固定する仕組みになります。この仕様は1939-41年の間だけ使われており、初期モデルを示す重要なパーツになります。その後は改良された、へドンオリジナルの留め金具が採用されました。

このルアーはアイも特徴的ですね。初期1940年初期までのモデルは大きめに描かれた二重のペイントアイになります。その後はあの三重ペイントアイになります。実は、40年代初期に「Zinc アイ(出目)」と呼ばれる、目玉が盛り上がっているアイの仕様のモデルが存在します。非常に個体数が少ない仕様になるので、希少なモデルになります。

リグに関しては、40年代初頭まで2ピースリグ。以降はサーフェイスリグが使われています。クレイジークローラー自体は、個体数が多く出回っており、価格帯も5000円前後手に入れることができるものがほとんどです。

しかし、初期のドナリークリップモデルは、探すのが一苦労だったり、あまり見かけないようなレアカラー、珍しい仕様のモデルに関して言えば、状態の極めて良い個体になった場合に、圧倒的な資金を投入してくるコレクターがいるのも事実です。時には数万円での取引も見られます。

50年以上前に生産終了したウッドモデルのため、綺麗な個体を探すのは大変ですが、カラーもデザインも美しいモデルです。ステンレスのウイングは、手元でも聞こえるほどの金属音でバスを誘います。ルアー史に残る名作をひとつBOXに忍ばせてみてはいかがでしょうか?

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