Heddon Luny Frog #3500 | オールドルアーのコト

HEDDON

へドン ルーニーフロッグ(1927-31年)

“ルーニーフロッグ”というヴィンテージへドンのプラグはご存知でしょうか?当時のへドンの中では特異な存在のプラグで、1920年代に発表されたモデルながら木製ではなくプラスチック製のプラグになります。素材は現代のABS樹脂などではなく”ピラリン”と呼ばれる当時ではかなり先進的な樹脂で作られているのです。

ルーニーフロッグの開発にあたり、参考にしたルアーはへドン・ゲームフィッシャーです。ゲームフィッシャーは三連ジョイントのウッドルアーで、開発時はその先頭部分にラバー製の脚を装着していたようです。顔をみるとそっくりな事がお分かりになるかと思います。

ルーニーフロッグはキャッチーな見た目とは裏腹に、わずか4年という短命で消えてしまったへドンの黒歴史ルアーのひとつに挙げられます。原因は使用したピラリンという素材にあります。衝撃に弱い素材でストラクチャーへ向けキャストし、まんがいち直撃してしまえば、強度のない足の部分はは割れてしまいます。

この欠陥を補うために取られたマイナーチェンジは、”クローズレッグ”と呼ばれる、脚の間にも樹脂を流し込んだタイプの開発です。しかし時はすでに遅く、悪評のついてしまったルーニーフロッグが継続的に売りに出されることがなかったのです。皮肉にもこのクローズドレッグモデルは現存数が少く、その希少性から高値で取引されるへドンルアーの一つになるのです。

今回紹介する個体は、100年近く経過した釣具としてみても、綺麗な状態を保っております。やや口部分のクリア剥がれが気になりますが、持病の割れや亀裂はなく、保存していく価値のある一本です。
レトロのFROGカラーにトイレットシートリグ。アンティークへドンの雰囲気を感じます。

アクションはというと、優秀なスイミングアクションでゆらゆらとボディーをクネらせて泳いでくれます。アクションもそうですが、適度な重量感とサイズがトップウォーター界隈でもっと人気が出てもいいようなモデルです。

取引されている価格は、通常モデルであれば1万円〜です。クローズドレッグでは2−3万円。カタログ掲載のなかったレッドヘッドカラーも存在しており5万円ほどかと推測されます。国内では流通が少なく、ebayなどの海外サイトでは割と簡単に探し出す事ができます。

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