オールドへドンの見分け方(プラスチックボディ)

オールドタックル

オールドへドンを見ていると、「首割れ」「縦割れ」などの文字を目にするコトが多いですが、これらを〇〇年代製造だと判断できるようになると、格段にオールドへドンの理解度が深まり、失敗も少なくなってくると思います。そもそも「○割れ」とは、何を指しているのかという、初歩的なところから説明してまいります。

ボディ割れとは

へドンに限らず、プラスチック製品は形のベースとなる金型(モールド)に樹脂を流して、それを固めることで同じ形状のモノを大量生産することができるのです。ルアーでは、浮力を持たせたり、ラトルを入れたり、重心を出すウェイトを入れたりと中を空洞にする必要があります。つまり、前後、左右、上下などに分割したプラスチックを貼り合わせる必要があるのです。プラスチックへドンでは、この張合わせ跡が年代にやモデルによって違うため、「〇〇割れ」という呼ばれ方をして、年代の特徴を捉えるポイントにされているのです。

なぜモールド(型)の変更が発生するのか

ひとつはマイナーチェンジになります。改良しなければならない点が発生した、ルアー自体のアクションを調整したい、別仕様と共同ボディにするなどが挙げられます。クルマや家電と同じく、ユーザーの声や生産力を高めるために行われることです。

次に製造工場の移転です。ミシガン州のドワジャック工場で作られていましたが、プラドコ傘下に入ったタイミングでの移転、中国製へ代わっていったりと製造工場の移転は、時代の流れを映し出します。しかしながら1970年代頃までのオールドへドンの工場移転の記事は見つけることが出来なかったので、オールドヘドンでいえば工場移転とモールド変更は関係がないのかもしれませんね。

最後にモールドの破損。大量生産時代に酷使されたモールドは、時として突然破損することも考えられます。実際にスミスがへドンにウンデッドスプークを特注した際には、モールド破損を理由に製造ができずに、ザラ2のボディで作ってしまったなどの話があります。モールド変更はそれ以外にも企業の事情や時代背景などが影響することがあります。

へドンのモールド変遷

200

1940年代〜1970年代半ば
ザラスプークなどの登場で、プラスチックへドンが本格的になった1940年前後からは「首割れボディ」がメインとなっています。ラッキー13を代表するちょうど首にあたる部分から割れているタイプ、ダイイングフラッターのように真ん中で割られているタイプがあります。
←首割れ
←首割れ

1970年代以降
どのルアーでも「縦割れ」へマイナーチェンジしていきます。へドンの量産体制も本格化し世界的にヘドンルアーが爆発的に売れていく時期に入ります。マグナムトーピードやクレイジークローラーでは「横割れ」になりますが、見方が違うだけで縦割れボディになります。
←縦割れ
←縦割れ

最後に、、

年代によっての仕様変更、それによっての評価の違いなどが、オールドルアーをややこしく感じさせてしまうことは事実です。しかしながら、それらを認識するだけでオールドルアーを深く知るキッカケや適切な判断ができるようになることになります。
プラスチックへドンは、ボディの接合部分とアイのペイント方法さえ押さえておけば、それほど難しいコトではありません。知識をつけることが、失敗しないための第一歩になります。
覚える(暗記)必要はないと思います。オールドを目の前に迷ったら確認すればいいのです。

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