Heddon Prowler #7025 | オールドルアーのコト

HEDDON

へドン プローラー 3/8oz(1971〜82年)

へドンプローラーをご存知でしょうか。ボディが「くの字」に曲がった、弱った小魚をこれでもかと模したルアーです。人気のない短命モデルです。人気者の生き残っているヘドンルアーをみると、シンプルでリアルな餌とは離れたデザインのものが占めていることを考えると、ボディ造形が凝っていて、餌っぽいプラグであることは人気の出ないのがうなずけます。

今回紹介するプローラーは、3/8ozの標準タイプのプローラーになります。同じくスイミング系プラグのタイガーのように4つのサイズ展開がされていました。1/4oz、3/8oz、5/8ozのプローラー、そして1ozオーバーのビッグプローラーというラインナップです。正式にはビッグプローラーに”ビッグ”の名がつきますが、他の3サイズは全て”プローラー”という名称です。

ルアーNo.は、小さいサイズから#7015、#7025、#7050、#7075となっており、へドンルアーNo.にお詳しい方なら、お気づきになるかもしれません。”#7050″これは被り品番であり、1930-40年代の”フラップテール・マスキー”につけられていた番号になります。No.被りは珍しいことですが、その理由までたどり着くコトができませんでした。

そしてもうひとつ。ビッグ以外に個別名称が与えられたモデルがあるのです。”#7028″という幻のプローラーが存在します。”ナチュラルプローラー”という、カラーリングは見たことある方も多いと思われますが、ナチュラルカラーがプリントされたモデルがあるようです。しかしながら、1978-79年のわずかの期間で消えてしまった品番になります。

今回紹介の個体は、使用感はほとんどなく、保管中についたキズがわずかにあり非常にコンディションが良いです。この頃のスプレーアイ(吹き目)は本当に表情が豊かで、その他のプラ製へドンでもそういった表情は確認する事ができます。

プローラーのルアーとしての特徴は、ラインアイやリグは金属プレートを埋め込んだタイプで、フックはスプリットリングを介して取り付けられています。カラーは各モデルに赤いエラ模様が吹かれていますが、水中側に偏って赤い塗料が吹かれており、弱ってエラがめくれてしまっている瀕死の小魚をこれでもかと表現しているのだと感心します。

残念ながら、オールドへドンの中でも存在感もうすく、利用者も少ないプラグであるがゆえに、復刻されることはないでしょう。取引されている価格はおおよそ2000-5000円ほどなので、どんな動きをするのか試してみたいかたは、是非手に入れてみてください。1970年にヘドンが本気でナチュラル系を目指すとこうなった、、

参考:HEDDON CATALOGED LURES 1902-1984

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